リプレイ


 というのはウソです。僕にはリプレイを上げるような根性はありません。ごめんなさい。
 では何かというと、TRPGのルールによってはキャラクターシート以外にセッションごとに別の紙になにか書くっていうシステムがあります。で、その紙の裏は当然白いわけです。大半の方は裏を利用しないみたいですが、僕はここに色々と描くわけです。それはプレイ中に得た情報だったり、キャラのイラストだったり、キャラクター視点の手記だったり。ここはこの三つ目の“手記”のページです。システムは主にトーキョーNOVAです。
 ちなみにマスターとかの許可を得ずして掲載してます。


落日〜fall〜  ルール:トーキョーNOVA  キャラクター:エル

 ではまずキャラのデータから。
氏名:“絆地獄(エターナルチェイン)”エル
略歴:世界を識る旅を続けており、その一方で世界に干渉することを足とせずむしろ助力を請うものに力を貸すことを厭わない。
 アラシSSS向けに作ったキャラです。属性は中立・混沌。悪魔のささやき相当の天使の一族を使います。アラシSSSの後、NOVAで情報屋をやっています。カット進行中はドミネートから防壁構築でリアクションをとるサポート型です。
市民ランク:B+、年齢:たくさん、性別:AI、誕生日:不明、身長:135cm、瞳の色:red、髪の色:flax、肌の色:white
スタイル:ニューロ◎、ミストレス、アヤカシ●

 黄領域の高級ホテル街でのこと。ボクの目の前に裸の女性が降ってきた。全身複雑骨折&トマト死って感じ。どこから身投げしたのかと空を見上げると、ホテルの最上階で顔を覗かせている人がいた。暗くて顔は見えない。手をひらひらと振ってみたら、その人は急いで顔を引っ込めた。
 こういうときは・・・と、マニュアルを呼び出して参照する。警察を呼べばいいらしい。公衆電話の赤色のボタンを押した後、110と押す。駆けつけた警察は一応トマトとなった女性を調べるついでにか、ボクに話を聞きたいと警察署まで連行してしまった。テキトーに受け答えして釈放してもらった。
 次の日、興味津々に昨日のニュースに目を向けたところ、ただの転落死として片付けられていた。警察の連中はまったく人の話を聞いていないじゃないか。何のために事情聴取したんだ。
 人通りの少ない裏路地。薄暗く涼しい通りは歩いていて心地よい。まれに通りすがる人もいる。通り魔だろうか、ある人が通りすがり際に背を向けて歩くボクの後頭部に発砲した。弾丸は見事ボクの頭部を捕らえ、ボクの頭をスイカの如く破裂させた。
 おわり
白夜の魔女  ルール:トーキョーNOVA  キャラクター:三条アキラ

 キャラのデータから。
氏名:三条アキラ
略歴:いろいろあって今に至る。
 説明になってないので。ストリートで占い師をやっている和装の剣士。
市民ランク:B-、年齢:25、性別:男、誕生日:1月24日、身長:177cm、瞳の色:黒茶/黒、髪の色:黒、肌の色:黄
スタイル:バサラ●、バサラ、カタナ◎

 目深にフードを被った目の赤い女性だった。「自分とこの街の相性を占って欲しい」とのことだ。女性の目をじっと覗き込み、念を込める。その瞳に不穏な風が流れた。「最悪だな」素直に感じたことを口走る。女性は「ならばこんな街は滅ぼしてしまおう」と言った。失言だったか、一応止めるように提言するが聞き入れる気はないようだった。そうして彼女は俺の前から姿を消した。
 暫く後のこと。少し冷えると外に出てみると、雪が降っていた。久しぶりに見る雪。常春のこの街で降る雪は必ず事件を引き連れてくる。室内に戻ると、客だろうか、半透明の女性の幽霊がいた。名は揺光。曰く、占って欲しいわけではなく、天を行くものを狩りたいとのことだった。表に出て上空を眺めてみると、見たこともないウォーカーが赤領域内に降下しようとしていた。千早製特有の輪郭を持ったウォーカーだった。彼女が狩ろうとしているのはあのウォーカーなのだろうか。ともかく、幽霊とはいえ若い女性に「お願いします」と頼まれてしまっては断る故はない。降下地点に行くことにした。
 雪が積もってきていた。柔らかな雪の上にウォーカーの足跡が無様に刻まれていた。千早の社員から聞いた話によるとウォーカーは氷の静謐のエージェントに強奪されたようである。しかし、相手はウォーカー。地を這っている以上足跡を消すことはできない。やがて俺たちは追いついた。揺光によればあれで間違いないそうである。「そこまでだ、神妙にしろ」そのウォーカーを呼び止める。「それはできない相談だ」回答は背後から来た。赤い目の魔女だった。「どうしてもというのなら私を倒していくが良い」女性はヤル気満載だ。「この街は相性が悪いと云っただろう」実体化し、本来の屍鬼の姿となった揺光を突き出す。手加減のない鋭い一撃。同時に魔女の操る吹雪が俺の体を凍てつかせる。俺の一撃は狙い過たずに魔女の胸を貫く。氷の魔女とはいえその血は熱く、その返り血に凍った体が癒える。
 魔女の祈るような無念の言葉はすでに声にはならない。その刹那、轟音に振り向くとウォーカーが離陸するところだった。間に合わない、ウォーカーは上空へと消えていった。
 続く
Wired Girls  ルール:トーキョーNOVA  キャラクター:斐川宍道

 キャラのデータ。
氏名:斐川宍道
略歴:色々と挫折して現在ピアノバーを経営している。
 実は、小説「想いは調べにのせて」にこっそりと登場してます。
市民ランク:B-、年齢:26、性別:男、誕生日:6月19日、身長:176cm、瞳の色:黒、髪の色:薄墨色、肌の色:肌色
スタイル:傾き者、遊歴、負け犬、世捨て人カブキ●◎、ミストレス、マネキン

 南奈那美という少女がいた。身寄りがないというゆえ、俺についてきた。彼女の体調が悪かったので医者に見てもらったところ、不治の病との診断が出た。
 不治の病‥‥。仕方ない、その命が尽きるまで全力で生きてもらおう。家に帰り、そんな風にピアノの前に座っていると、一人の男が店に来た。
 「今日はもう店じまいだ」店の扉の掛け符を"closed"にするのも億劫な俺の言葉を無視してその男は俺に用があるといってきた。奈那美を見受けしたいと云うではないか。彼は藍川哀都と名乗る。かれはトゥルーフリーダム特別対策部の代表であり不遇の子を保護している。それで奈那美の病気を治せば予算が下りるだろうから奈那美をもらいたいといってきたわけだ。悪いがそのような不審な目的を持つものにくみすることは出来ない。、というわけでその男は引き取ってもらった。
 奈那美の入院している病院に行ったところ、その男は奈那美に妙なことを吹聴したらしい。奈那美はたとえ自分が実験体として扱われ、脳と脊椎だけにされた挙句、ホルムアルデヒドに漬けられることになるかもしれないとしても、助かる可能性が1%でもあるなら試したいと主張する。そこまでの決意があるというなら俺が何を言っても無駄なのだろうか。不本意だが仕方ない。ただし月に一度でいいから、手紙を寄越すよう約束をした。
 奈那美が俺の前から去ってしばらく後、空虚な日々を送る俺の前に、一人の女性が現れた。彼女は粕川うららと名乗った。奈那美を引き取った先の者だ。曰くトゥルーフリーダムに特別対策部という部署があり、身寄りのない子供を保護しているという。そこに奈那美の名があったのだが、行方が分からないという。「なんだと!」声を荒立て、同時に平手で鍵盤を叩きつけ、立ち上がる。けたたましく不協和音が鳴り響く。粕川は俺の詰問に対して曖昧な返事をするばかりではっきりしない。分かるのは藍川が裏でよからぬことをしており、奈那美がそれに関わっているということだ。やはり何としてでもあの時奈那美を止めておくべきだった。粕川を追い払うと俺は自分で奈那美の居所を調べることにした。

--中略--

 藍川は特別対策部にいるという。果たして俺たちはトゥルーフリーダム特別対策部に言った。粕川うららが奈那美に切り殺されようとしていた。俺と同行した警官が銃を撃ち、奈那美の刀を弾いた。奈那美は刀を外した反動で一歩前に出て粕川の鳩尾に拳をめり込ませる。粕川はその場に崩れ落ちた。奈那美は洗脳されているとはいえ俺ではなく藍川を選び、俺に背を向けて去っていった。
  to be continued

東京幽霊奇譚  ルール:トーキョーNOVA  キャラクター:ALICE

 キャラのデータ。
氏名:ALICE
略歴:希代の天才プログラマー彩佳の作った人工無脳。現在は創造主の元を離れて自立(社会に寄生)している。ニュースサイトを運営しており、一応その筋からの収入がないではない。
市民ランク:B-、誕生日:6月19日、身長:140cm、体重:26kg、瞳の色:black、髪の色:black、肌の色:pink
スタイル:ニューロ●、トーキー◎、マヤカシ

 ゲーセンに置かれた最新作、超絶キーボードフリーク88でゴドフスキーのエチュード全集が終了しようとしていた。最後の和音を押さえようとした瞬間、筐体の電源が落ちた。僕が最高ポイントを叩きだす直前であるにも関わらずだ。ここは怒っていいところ。僕は店員に問い詰めたが、店員はよく分からないから本社の方に問い合わせてくれとのこと。そのとき、僕のK-TAIに着信が入る。当の本社、チハヤトイズ。というか僕の個人的な知り合いであるその社長からだった。すぐに来てくれと言われた。僕は社長室に転移し、話を聞いた。曰く、悪意あるクラッカーに会社の鯖を爆破されたとか。そして、犯人のアシアトを追跡すると僕のトロンを踏み台にしていることが判明したと、アフロヘアになった社長は言った。彼自身は僕を疑うわけではないが、捜査をする企業警察はそうでもない。そういうことだから、僕自身の安全を確保するついでに犯人の捜査を行って欲しいと言われた。このままでは僕も今ひとつ心持ちが悪いので犯人確保に協力することにした。
 少し調べて分かるのは、壊されたのはゲーム用の鯖であり、セキュリティを内外の両側から破られている。敢えて僕のトロンを中継してアクセスした犯人は僕に恨みがあると見て間違いない。
 チハヤトイズでは数年前ににスターゲイザーというシューティングゲームがヒットした。そのゲームのラスボスに浮遊要塞ゴズマというAIがいた。そういえば僕も一時期このゲームをやり込んだ口で、最終的にはゴズマの自己進化機能を押さえ込んで攻略するプログラムを組んでみたり、更にそのソースコードを公開したりしていた。今となっては少しやりすぎた気がしないでもない。ゴズマが発狂した原因の一端が全くないわけでもなさそうなので、ゴズマに出逢うことがあったら一言謝っておこうと思う。それにしても、ゴズマは僕を恨んでいるのだろうか。高々一ユーザーのことを覚えているのだろうか。
 そういえば、最近レッドエリアでスターゲイザーが飛んでいたとかいう噂を聞いた。どうせまた宇宙人のイタズラだろうと普段なら思うわけだが、今回はゴズマのこともあるので気になるところだ。一度レッドエリアをぶらついてみよう。うまくいけばゴズマに出会えるかも知れない。
 レッドに行ったところ、ナオリとムラサキがいた。何をしているんだろう。ゴズマに会いに来たのかな。ナオリは半透明の幼女を連れていた。こんな感じの幼女の幽霊。結構かわいい。きっとお持ち帰りしたのだろう。メイコと名乗るその幼女は先日交通事故でなくなったそうだ。ご愁傷様。しかし、聞くところによると孤児院のバスが重機と衝突してメイコだけが死んでしまったそうな。問題はその重機で、身元不明なAIが操作していたという。ますますゴズマが怪しくなってくる。ゴズマがそのAIの出元だとすると、メイコが死んだ責任の一端は僕にあるのかな。悪いことをした。
 そんなこんなで話し込んでいると、近くにあったモニタからニュースらしきものが流れてくる。孤児院の周囲を重機が幾重にも取り囲んでいる。蟻一匹も通れない仕様だ。話の流れから、あれはメイコのいた孤児院だろう。その予想を裏付けるようにスピーカーから発せられる声。「選べ、メイコか孤児院か」その声に導かれるようにしてメイコを見ると、・・・・見るとメイコはいなくなっていた。代わりに書き置きが。「みんなを助けに行きます」何て気の早い幽霊なんだ。その時上空に稲妻が走った。青天の霹靂。空を見上げるとそこには巨大な人の顔をかたどったポリゴンが浮いていた。ゴズマだ。このままでは色々とよろしくない気がするし、僕もゴズマに用がある。とにかく孤児院に行くことにした。
 さて孤児院に行くと、ゴズマはすでに準備万端とばかりにどこから盗んできたのか巨人の胴体に自らの首を継いでいた。200m級の巨人をこれまでどこに隠していたかとか突っ込んでも仕方がないので、言いたいことだけ伝えることにした。僕の声などゴズマにしたら蚊の鳴くようなものだろうが、元々物理音声ではないから直接会話できる。試しに問うてみる。「ゴズマ、僕がわかるか?」マイクのテストのようなもの。「ALICEか」大地を焦土に変えんとせんばかりの憎悪の表情(ポリゴン)を向けるゴズマ。どうやら声は聞こえるらしい。では本題に入ろう。
「ゴズマ、すまんかった。ちょっとやりすぎた」
 当初の予定通り頭を下げて謝った。謝ったことですこし気分が良くなった。胸のつっかえがとれたような気分だ。
 でもゴズマは流石に発狂しているだけあって応じてはくれなかった。仕方ないから退治した。
 めでたしめでたし。



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